日々の仕事や勉強で、何か学ぼう、調べようとするときに文字だけでは理解しづらいと感じることはありませんか。
私自身、子どもの習い事の合間によく本屋さんに立ち寄ります。そんな時、絵本のコーナーを見ていると、最近はさまざまな社会的な学びの絵本が増えていることに気がつきました。
SDGs、多様性、環境問題、政治経済や法律、お金の仕組みなど、多種多様なテーマがずらりと並んでいます。
文字だけではなく視覚的にわかりやすい絵本であれば、身近なストーリーとして自然と興味を持ちやすく、子どもとも対話しながら、学びの意欲も高まるのではないかなと感じました。
そこで、今回は、仕事や生活する上でも異なる人々が共存する大切さを知ることができる「多様性」に関する絵本を3冊をご紹介します。
目次
【せかいのひとびと】
作・絵:ピーター・スピアー
訳:松川真弓
対象年齢:5、6歳、小学生から
「せかいのひとびと」では、世界中の異なる文化や民族、さまざまな人の外見、言葉、衣装や食べ物、伝統行事、暮らし方などの違いが描かれています。
それぞれ異文化を知り、個性・違いを受け入れることを学べる絵本です。
異なる背景や特徴を持つ人々が一緒に協力し、他者を尊重しながら豊かな世界を作り出すことができる。みんなそれぞれがちがうことは、すてきだということです。
写真で見るよりもずっとわかりやすく、大型の絵本で図鑑のように描かれていました。初版発行は1982年で、読んだことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
【マチルダとふたりのパパ】
作:メル・エリオット
訳:三辺律子
対象年齢:5、6歳から
「マチルダとふたりのパパ」では、家族の多様なあり方、同性婚、LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー)をわかりやすく伝えてくれる絵本です。
家族のかたちはさまざまで、違いはあるけれど、大切なことは同じです。
子どもたちは、パパがふたりの家庭でも、パパとママの家庭でも、自分の環境や家族を受け入れ、自信を持ち認めあいます。
異性でも同性でも、結婚や家庭のあり方はもちろん、生活全般なにも変わらないということ、多様な家族の形について自然に認めあえるきっかけになったかもしれません。
【みえるとかみえないとか】
作:ヨシタケシンスケ
相談:伊藤亜紗
対象年齢:6歳から
「みえるとかみえないとか」では、体の違い・ハンディキャップを宇宙人を通じて新しい切り口で描かれた絵本です。
目が見える人・見えない人とのせかいの感じ方の違い、共生するとわかるおもしろさ、難しさなども描かれています。
教えるという姿勢ではなくイラストで読んでいる人の心を開きながら、それぞれの世界の違いを知り共感することで、バリアフリーについても考えることができます。
多様な人々が一緒にいて、お互いのいろんな違いを助け合いながらともに成長していくことが大切だと感じました。
【まとめ】
子どもと会話しながら絵本を通じて新しいことを学ぶということは、視覚的にインパクトがあり記憶にも残りやすいと改めて感じました。
ネット検索、SNS、ポッドキャスト、オンラインセミナーなど、情報を得たり学ぶ方法は、テクノロジーの進歩でますます便利になっています。
ただ、実際に絵本を手に取って子どもと一緒に考えたり話しながら学べるということが、とても大切な時間だと感じました。
「みんながさまざまな考え方を持っていていいんだね、どれが正しいか間違っているかということではないよね。」 という親子間の対話ができたことで、思いやりの心が育まれたのではないかと感じました。
しっかり理解するということはまだ難しいかもしれないけれど、少しずつ理解できる環境をひとりひとりが意識をもって作っていけるといいなと思っています。
少し目線を変えて寄り添ってみると、まるで見える世界は、ぱっと広がっていきます。
少なからず、みなさんもそういう経験はあるんではないでしょうか。