先日、クリエイター専門校に通っている弟の卒業制作発表会、『学生作品上映会』を観に行きました。
私も制作系の学部を卒業したので、「卒業制作」という言葉には思い入れがあります。
終わった今ではいい思い出ですが、制作中は何度も作ってはやり直し作ってはやり直しで、提出日が迫ると学校の工房に毎日こもり、長い時間をかけて取り組んでいました。
自分で一から作品を生み出すというのは容易ではないことを、身をもって痛感しました。
それは題材問わず物を作ることであれば共通して言えることだと思いますし、学生の卒業制作発表会という場は、どんな形であれ、ひとつの作品を作りきった学生を心から賞賛すべき場所であってほしいと、個人的には思うところです。
そんな気持ちで学生時代の自分を思い出しつつも、弟を含め映像学部の学生たちの勇姿を楽しみに、未来の監督誕生の瞬間、3月に卒業を控えた映像学部の学生たちの集大成に立ち会いました。
こちらはいただいたポストカード。上映会タイトルは「黄身喰う君も好き好き」。
ことわざ「蓼食う虫も好き好き」にちなんで、学生たちそれぞれの個性の違い、十人十色の意味と、カタカナの「コ」「ロ」「ナ」を組み合わせると、漢字の「君」になるというのも由来しているそうで、上映会テーマである「アフターコロナ」を絡めて作成されたタイトルとのこと。
前半は5名の学生による、~10分ほどのショートムービー上映と、後半は実際に学生が登壇してのトークセッション、というプログラムでした。
上映会のオープニングとして、弟を含めた5名の学生が出演していた映像で、衣装に関しては私も一助としてアドバイスした部分があったので、実際に立派なホールで映画のように弟が作った作品を観ることができて、少々鼻が高い気持ちになりました。
ほかの学生たちのショートムービーも上映され、テーマでもあるコロナに対する思いをいろんな角度から表現されていて、まさにタイトル通りそれぞれの個性が発揮されていました。
エンドクレジットでは各作品で学生の名前が流れあったりして、みんなで協力して作り上げたんだな、というのを感じました。
エンドクレジットに弟の名前が流れていくのを見つけるたび、ついつい「あった!」と感動してしまいます。
作品の上映後のトークセッションでは、作品に対する学生の思い、作品をつくった意図や背景、作成過程などを聞くことができてとても面白かったです。
学生同士で『動物にたとえてどんな人か紹介し合う』という他己紹介コーナーでは、弟が他の学生に『犬』とたとえられ思わず笑ってしまいました。
理由としては『素直、まっすぐ、撮影しているとき今楽しいんだろうなと目に見えて分かる、犬が尻尾を振ってるみたいな感じ』だそう。笑
制作にあたっては、やはりコロナ禍で苦労した部分もあったそうで、そのため工夫していた話などが聞けました。
昨年の冬ごろから撮影でバタバタしていた弟も、緊急事態宣言の発令などで急遽撮影スケジュールが崩れ、断念せざるを得ない状況に追い込まれ本来作りたかった映像が作れなかった、とのこと。
スケジュールの急な変更や対応に追われながら、それでもいろんな工夫を凝らして、卒業制作をやりきって完成させた学生たちは立派ですね。
学生たちがコロナ禍に負けず、ひとりの映像クリエイターとして、2年間学んだことを最大限に活かして作り上げた作品は今後学生たちの自信や糧になっていくのだと、それぞれの思いがひしひしと伝わり成長を感じられた、素晴らしい上映会でした。