ここ最近は、心理的安全性、アンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)とならんで「アサーティブコミュニケーション」という言葉をみなさんもよく耳にされるのではないでしょうか。
今回は、仕事にもプライベートにも関わるすべての人とのコミュニケーションにおいて、少し見直してみたいなと考え「アサーティブコミュニケーション」というテーマをピックアップしてみました。
目次
【アサーティブコミュニケーションとは?】
「アサーティブコミュニケーション」とは、お互いの立場や主張を大切にした自己主張、自己表現です。
もともとは、1950年代にアメリカの心理学者であるジョゼフ・ウォルピが自己表現が苦手であったり対人関係に悩んでいる人に向けた「行動療法」でした。
ここ数年は、パワハラ防止対策や心理的安全性の実現のコミュニケーション方法として注目されています。
また、ここで心理的安全性とは組織の中で自分の考えや気持ちを、誰に対しても安心して発言できる状態のことです。
立場のちがいなどはあっても、お互い尊重し合いながらコミュニケーションをとることができるようになると、自分もラクになり、チームや組織の生産性や結束力も増していくとされています。
【3つの自己表現】
非主張型な自己表現(ノンアサーティブ)…
どうせわかってもらえない、うまく伝えられないなどの思い込みから、言いたいことを率直に言えない。遠回しな言い方で過度にへりくだり、自分を抑えて相手に言いたいことが伝わりにくい。
不満やストレスをため込んでしまう。
攻撃的な自己表現(アグレッシブ)…
相手の話に耳を傾けず、一方的に自分の言いたいことを押し通す。相手の意見や考えの相違があると分かると攻撃的になり、自分が優位に立つためにコントロールする。相手を委縮させ反発心を抱かせてしまう。良好な関係性を築きにくく、ハラスメントにつながる可能性もある。
アサーティブな自己表現…
自分が感じたことを率直に、正直に、相手や自分を責めることなく伝える。話した後には相手の反応を待ちしっかりと受け止めてから対応することで相互理解や信頼を築くことができる。
建設的な議論で納得できる結論や解決策を導き出すことができる。
以上をふまえて、普段の自分はどんな自己表現をしているでしょうか。
客観的にみて自覚することからはじめてみると、少しずつ改善点が見つかっていくと思います。
【アサーティブな関係性を築く4つのポイント!】
① 誠実に伝える
自分にも相手にもうそをつかず、正直であることがコミュニケーションの誠実さにつながる。
いったん相手の考えを受け止めつつ、自分自身の考えに誠実さをもち丁寧に伝える。
② 率直に伝える
「私は」を主語にすると、率直に自分の気持ちを伝えやすくなる。
相手ではなく、私を主語にして伝えることで、攻撃的な表現も避けられる。
③ 対等に伝える
相手によって態度を変えず、コントロールしたり見下すことなく、誰にでも同じように接すること。
上下関係を意識し過ぎず、必要以上にへりくだらない。
対等な立場で意見交換をする。
④ 自己責任で伝える
自分の主張が通らなかったとしても、どのような結果になっても責任は自分にあるという自覚をお互いに持つ。
相手の考え方は変えられないもので、自分の考えと反して望まない反応だとしても受けとめる。
【まとめ】
多様化していく時代だからこそ、気が付いたときに行動を変えていくこと、柔軟なコミュニケーションをとることが大切ですね。
完璧にできなくても、どんな自己表現をしているか自己認識できていれば、仕事やプライベート関わらず、すべての人との関わりが少しずつ良好にすすむようになるのではないでしょうか。
さらに、アサーティブコミュニケーションはメンタルヘルス(心の健康)においても、ストレスを軽減できる効果もみられます。
自分の周りの環境におきかえて、自分自身の気持ちを確かめ、素直に伝えて相手の反応を見届けること、「あの時はこうだったから、次からはこうしてみよう!」など、少しでも考えるきっかけになればいいなと思います。
<参考図書>