『シリコンバレーの一流投資家が教える 世界標準のテクノロジー教養』読みました

この本は、以前ご紹介した『2025年を制覇する破壊的企業』の著者である、山本康正氏による新刊。
氏の本は、読むたびに“危機感”を感じる内容で、この本も「日本はもはや技術後進国だ。」という書き出しから始まります。
またこの本もそういった内容か、と段々麻痺してきそうになるのが怖いところです。

この本を通して、日本のデジタル化の遅れといったところが強く書かれておりました。
スマホのOSしかり、音楽配信や動画ストリーミングなど、GAFAはじめとするアメリカ企業は、世界でノウハウや成功パターンをため込んでから日本に上陸してくるので、すでに使い勝手が良い状態で、日本のユーザーはあっという間に総取りされてしまう。
このままではどんなに頑張っても、利益はどんどんアメリカの企業に吸い取られていく。

日本は、テクノロジー・ビジネスの世界では世界の20位以下になりつつあり、これは大学のランキングにも関係している。
2020年の世界の大学ランキングでは東大が36位、京大が65位、あとは250位以下。慶應・早稲田といった私学のトップレベルでも600位以下。日本の大学はほとんど上位に入っていない。
アジアの大学ランキングでも、東大がなんとか7位でベスト10入り、京大が12位、それ以外のベスト20は、香港を含む中国と、シンガポール、韓国で占められている。アジアの中でも後れを取っている状態。
そんな警鐘が書かれつつ、一貫して述べられていたのは、まだ今なら間に合うというメッセージ。

インタビューをもとにした構成となっており、中でも、櫛田健児氏へのインタビューをもとに書かれている、「第六章 DX デジタル化の本質」が非常にためになりました。
「両利きの経営」という概念を、一本は大きなハサミを持ち、もう一本はすごく小さなハサミを持ったカニを例とすることで、非常にこの概念を理解しやすいものとしています。
主力事業である大きなハサミがまだ存在するうちに、小さなハサミの方も大きく育てなければならない。
本書で書かれている内容とは規模感も全く違いますが、今まさに自分たちも直面している課題でもあります。

それにしても、世の中の流れが速いので、いろいろと自分自身、アップデートしていかなければならないと痛感。
そして本書でも書かれていましたが「貪欲に海外の英語の情報を取りに行く、メディアに掲載される前に取りに行くという姿勢が大切」と。

コロナが落ち着いて、いつかシリコンバレーに視察に行ける日が来るはず。
そんな日が来ることを待ち望みながら、新年度は、英語の勉強とビジネス全般の学びなおしに、より真剣に取り組もうと思いを新たにしました。

お問い合わせ

サービスに関するご相談やご質問などこちらからお問い合わせください。

03-55107260

受付時間 10:00〜17:00