弊社コーポレートサイトのリニューアルの際、社員それぞれのプロフィールページを作成しました。
その冒頭には、各自の写真とともにモットーを手書きで記載しております。
私はそのモットーに「為せば成る」と書きました。
本当は「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」と書きたかったのですが、文字数やスペースの関係で「為せば成る」としました。
これは、江戸時代の米沢藩主、上杉鷹山(うえすぎようざん)の言葉となります。
もしかすると「為せば成る、為さねば成らぬ何事も」みたいなところまでを覚えている方も多いかもしれません。
私はこの言葉を「何事も、やれば達成できるし、やらなきゃ達成できないし、達成できないのは達成しようと努力していないからだ」みたいに解釈しています。
努力を表す言葉といえば「継続は力なり」なんていうものもあります。
小学校の担任の先生に、よく聞かされた思い出があります。
私が「継続は力なり」ではなく、「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」という言葉をモットーにしているのは、やみくもに何でも継続すればいいとも思っていないということが根底にあるのかもしれません。
何を行うかとともに、何は行わないのか、そのうえで行うと決めたことは必ずやり遂げるという、そんなニュアンスを、この言葉には込めることができる気がしております。
さて、最近、物事をどうすれば達成できるのか、「達成力」といったものがあるのなら、どうすれば伸ばすことができるのか、そもそも達成することに人は意味を見いだしているのか、みたいなことが気になって関連する書籍を何冊か読んでいたので、本日はその紹介をしようと思います。
やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける
GRIT(グリット)は、4つの言葉の頭文字をとって作られた言葉で、日本語では「やり抜く力」と訳されています。
Guts(度胸)・・・・・・・困難に挑み、逆境にたじろがない勇気
Resilience(復元力)・・・挫折から立ち直る力
Initiative(自発性)・・・率先して物事に取り組む力
Tenacity(執念)・・・・・どんなことがあっても物事に集中しつづける能力
真の成功のためにもっとも重要なものは、生まれ持った才能やIQではなく、GRIT(グリット)、やり抜く力だ、というのがこの本に書かれている一番のメッセージです。
日頃、仕事におけるパフォーマンスをいかに上げるか、みたいなことをよく考えており、そういったことが念頭にあったため、まずはその観点から読みましたが、仕事ができる・出来ないというのは、やはり、やり抜く力があるかどうかなのだなと改めて実感しました。
そして、そのやり抜く力を伸ばすには、天性のものを必要とはせず、あとからいくらでも身に着けられるものだと書かれていることに、いかに勇気づけられることか。
仕事のみならず、子育てであったり、人生であったり、このGRITの考えはいろいろな局面で生かすことができます。
本書の中で響いた要点は、
「才能×努力=スキル」「スキル×努力=達成」
やり抜く力で重要なのは「情熱」「粘り強さ」「方向性」
どこを目指すか、究極的な関心を持つことができて、明確に定義されたストレッチ目標を定める。
それをブレークダウンして中位目標、下位目標を設定し、取り組むべきものを決めて努力する。
といったところでしょうか。
成果を出した人を、あの人は才能があるから、と言って片付けてしまうのは簡単ですが、それを、自分が努力をしないでもいい理由にしてしまいがちです。
人の成功を才能で片付けず、努力の大切さをしっかりと説いてくれるこの本は、時折読み返してみるべき良著だと思いました。
やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学
やり抜く、という言葉つながりで、続いてこちらの本を読んでみました。
非常に薄い本で、すぐに読み終わりましたが、その薄さゆえに、何度も読み返してみてもよいかもしれません。
目標達成にもっとも寄与する9つの習慣が各章ごとに書かれております。
第1章 目標に具体性を与える
第2章 目標達成への行動計画をつくる
第3章 目標までの距離を意識する
第4章 現実的楽観主義者になる
第5章 「成長すること」に集中する
第6章 「やり抜く力」を持つ
第7章 筋肉を鍛えるように意志力を鍛える
第8章 自分を追い込まない
第9章 「やめるべきこと」より「やるべきこと」に集中する
「やり抜く力」を高めるための方策が書かれているこの本は、「やり抜く力 GRIT(グリット)」を読んだ後に、気軽に読むのに最適と感じました。なんとなく無意識に行っているようなことも、整理立てて書かれていると、間違っていなかったんだと再認識できる部分が多々あります。
本のエッセンスをまとめてみます。
目標は具体的に、たとえば、やせたいならば、やせるを目標にするのではなく、5キロやせると具体化する。
成功をイメージし、そこまでの障害も同時にイメージする。そして、成功した自分と今の自分とのコントラストを意識。
「if-thenプランニング」・・・もし「〇」だったら「×」をする。
もし、月曜日の朝8時になったら、私はジョギングをする。
「これまで思考」と「これから思考」
「48パーセント覚えた」「あと52パーセント残っている」・・・後者の方が小さな成功に甘んじることなく、モチベーションを維持できる。
成功できると信じ、相応の努力をする。不都合に目をつむっても達成はできない。
「目標を達成するには、相応の困難を切り抜けねばならない」と最初から思っていることが大切。
最初から完璧を目指さず、「失敗してもいい」と開き直る。
少しでも進歩することを考える。
自分には伸びしろがあると信じる。努力して成長しない人はいない。
どんな困難でも「やり抜く力」を持って当たることができる。
意志力は日々の訓練で鍛えることができるので、習慣的に鍛える。
一方で、筋肉と同じで、意志力は使いすぎると消耗する。
誘惑にはなるべく近づかない。
意志力で誘惑に打ち勝とうとしない。
人間は「やめたいこと」を考えると、頭がそのことばかり考えるようになる。
「シロクマのことだけは考えてはいけない」・・・「シロクマのことを考えないように努力しようとすると、逆に頭の中はその思考でいっぱいになる」
「やらないこと」ではなく、「やること」に集中する。
30分~1時間程度で読める本ですので、まずはライフハック的にさっと目を通してみることをお勧めします。
マインドセット「やればできる! 」の研究
こちらは、「硬直マインドセット」と「しなやかマインドセット」について、いろいろな事例で、これでもかと書かれた本。
硬直マインドセットとは「自分の能力は固定的で変わらない」と信じている人
しなやかマインドセットとは「人間の基本的資質は努力次第で伸ばすことができる」と信じている人
しなやかマインドセットの根底にあるのは人は変われるという信念で、しなやかマインドセットを持つことで、自分の脳を自分で作り上げていくことができます。
この本では、心構えの違いが、人生にいかに大きな影響を及ぼすかについて分析され、硬直マインドセットではなく、しなやかマインドセットを持つことの利点が繰り返し述べられていきます。
硬直マインドセットの人の考え方
知能は人間の土台をなすもので、新しいことを学ぶことができても、知能そのものを変えることはできない。
どのような人間かはすでに決まっており、ものごとのやり方は変えることができても、人となりを本当に変えることはできない。
しなやかマインドセットの人の考え方
知能は、現在のレベルにかかわらず、かなり伸ばすことができる。
現在どのような人間であっても、その根本的特性は、変えようと思えば変えることができる。
硬直マインドセットの人は本気で努力することを怖がる傾向にある。なぜなら、精一杯やってもダメなら言い訳のしようがなくなるから。
一方で、しなやかマインドセットの人は、得意だと思っていなくても、果敢に飛び込んでやり抜いてしまえる。
もっとも、ほとんどの人は両方のマインドセットを併せ持っているとも書かれていおりました。
印象深かったのは、能力をほめると、硬直マインドセットの行動を示すようになる、努力をほめると、しなやかマインドセットの行動を示すようになる、といったことが書かれていたことです。
意識せずに、今まで能力を褒めることをよくしてしまっていたことに愕然としました。
もちろんマインドセットだけでは解決できない問題も多々もあるとは思いますが、ビジネス、人づきあい、子供の教育など、いろいろな局面での事例が豊富なので、本から得られるものは大きいと感じました。
努力して人生を向上させたい人には、バイブルになりうる本ではないかと思います。
さて、今回は3冊の本をご紹介しました。
人は変われる、努力すれば成長することができる、そういったことを日ごろから感じており、自分自身、いくつかの目標を常に設定し目指しているようなところがあります。
ストレングスファインダーでも達成欲とか目標志向とかが上位なので、そういった指向の人間であるとは自覚していますので、人に押し付けすぎないように注意はしておりますが。
達成するためのモチベーション維持のテクニックなどは、なんとなく自然に身についているところもありますが、今回読んだ3冊で整理された部分もあります。
「やり抜く力 GRIT(グリット)」にも書かれておりましたが、「情熱」「粘り強さ」を採用の際の基準にするというのは良い指針に思えます。ぜひ今後の採用の際には意識してみようと思います。
そして、しなやかマインドセットで今後のビジネスに取り組んでいこうと強く思った10月末でした。
そう、10月末、あっという間に今年も終わってしまいそうですね。
寒くなってまいりました。皆様もご自愛ください。
そしてネットショップを運営されている事業者の皆様は、年末商戦に向け頑張ってまいりましょう。
弊社も、注文がどんどん増えていく年末に向け、気を引き締めつつ、システムの安定稼働に努めてまいります。
それでは、本日はここまでとさせていただきます。Bye for now!