2024年、最近読んだ本の中からピックアップ

2024年も残り2ヶ月を切り、日々があっという間に過ぎ去っていきますが、そんな中でもできるだけ本を読む時間を作るようにしています。
状況や環境によって自然と読む本も変わってくるものですが、最近はさまざまなジャンルの本に手が伸びている気がします。
今回は、最近読んだ本の中からテーマやジャンルが異なる5冊をピックアップしてみました。

2035年に生き残る企業、消える企業

以前ご紹介した『2025年を制覇する破壊的企業』や『シリコンバレーの一流投資家が教える 世界標準のテクノロジー教養』の著者である山本康正氏が、今度は2035年というさらに先の未来に向けた視点を提示しています。

今回の著書で特に印象的なのは、ビジネスパーソンが背負う宿命として、最先端のテクノロジーに常に触れ、学び、キャッチアップし続ける必要があると強調されている点です。
それはもはや選択肢ではなく、避けられない課題として描かれており、ある種の強いプレッシャーすら感じさせます。
テクノロジーの進化はあまりにも急速で、数年後に何が求められるかも簡単には予測できないため、最前線に身を置き続ける覚悟が必要とされるのです。
たとえば、著者は世界最大のテクノロジー展示会である『CES』を毎年訪れ、ラスベガスで最新の潮流を肌で感じる重要性を説いています。

山本氏の著書を追っていると、テクノロジー企業が未来に向けてどのような視点を持ち、どのように行動しているかが浮き彫りになります。
これらの本は、未来予想であると同時に、現代のビジネス史としての側面も併せ持っています。
しかしながら、そこに書かれている未来予測がすべて的中するわけではありません。
『2025年を制覇する破壊的企業』が書かれた2020年当時、生成AIが今ほど急速に普及するなど、誰が予想したでしょうか。
ビジネスは予測を超えて進化していくため、その流れの中で生き残るには、絶えず学び続ける姿勢が必要不可欠です。

だからこそ、今後も新たなテクノロジーの波に臆することなく、書籍だけではなく一次情報に積極的に触れ、キャッチアップし続ける姿勢が大切。
それが、2035年に向けた新しいビジネスを築き、競争に生き残るための条件だと再認識させられます。

「機嫌がいい」というのは最強のビジネススキル

『機嫌がいい』というのは、実は最強のビジネススキルである
そんなテーマで始まる本書の冒頭で、著者が「機嫌」について考えるきっかけとなったエピソードが語られています。

ロビン・ウィリアムズ主演の映画『パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー』をたまたま観たことが、その出発点とのこと。

『パッチ・アダムス』は、実在の医師パッチ・アダムスが主人公で、患者との関わりに笑いやユーモアを取り入れることで、医療に温かさをもたらしたエピソードが描かれています。
著者もここから、「機嫌」を保つことが周りにどのような影響をもたらすかについて深く考えたようです。

私もまずは著者と同じ立ち位置からと思い、この映画を観てみてから本を読み進めたのですが、著者が「機嫌」の大切さに気づいた背景を知り、結果として良いスタートになったように感じます。

ビジネスの場面でも、機嫌がいいと仕事はスムーズに進みますし、イライラしていては集中できないものです。
自分の感情をしっかりマネジメントすることがビジネスにおいても重要です。そのためには、日々自分の中に湧き上がる感情を自覚し、書き出して整理する習慣が役に立ちます。

本書には、機嫌をマネジメントするための具体的な方法が数多く紹介されています。仕事でパフォーマンスが低下していると感じる方は、一度手に取ってみる価値がある一冊です。

経営中毒

「社長は孤独だ」とよくいわれます。しかしながら、もう20年以上も社長と呼ばれるようなことをやっていると、感覚がマヒしてくるのか、社員とは視点が変わってくるのは仕方ないし、何事も「そんなものだろう」と思う部分もありますが、改めてそんな視点の違いを思い出させてくれる本でもあります。

本書は、会社を起業してから次々に襲ってくるトラブルを追体験できる内容です。小説ではありませんが、経営の中で実際に起こりうるさまざまな出来事が次々に描かれています。

資金繰り、人の問題、組織のマネジメント、事業のマネジメント、出口戦略、そして社長の意思決定--。

生々しくリアルな内容にヒリヒリしながら読み進めましたが、読み終えたときには改めて経営に向き合いたいと思わせてくれる一冊でした。
スタートアップやベンチャー企業で働く皆さん、特に幹部層の方々には、ぜひ手に取ってもらい、まずは社長業について追体験していただいたうえで、職場で社長の味方となって支えていただけたらと思います。

第5章の出口戦略のところが、IPOやM&Aについて書かれており、書店で立ち読みした際にも一番気になった部分ではありました。

エンジニアのためのChatGPT活用入門

以前購入して、積ん読になっていた本でしたが、改めてページをめくってみたところ興味を引かれ、斜め読みしました。

内容は、ChatGPTにPHPフレームワークのLaravelの使い方を尋ねながらWebアプリケーションを構築していくというもので、ちょうどLaravelをいじり始めた自分にとって、さまざまな参考になる点がありました。

月刊の技術雑誌『Software Design』の最新号(2024年11月号)でも、第1特集が「はじめてのAI駆動開発」というものでしたが、最近では、生成AIをシステム開発に生かすというテーマが、ますます注目を集めていると感じます。

生成AIが出力するコードについては、「必ずしも動作するとは限らない」「思わぬエラーが含まれることがある」といった意見もありますが、一方で、生成AIを便利に使いこなしているという話もよく耳にします。実際に開発に利用できるかどうかを見極めるには、やはり実際に使って試行錯誤を重ねることが重要なのでしょう。

生成AIを開発に活用する際に考慮すべき点としては、まず第一に、開発中のコードや設計情報をチャットに送信することで、AIの学習に利用されてしまい情報漏洩のリスクがあるということです。
第二に、生成AIが返してくるプログラムのコードは、何らかの既存プログラムを学習して生成されているため、その返答をそのまま利用すると図らずも著作権を侵害してしまう可能性をはらんでいるということ。

生成AIのビジネス向けプランを利用することや、セキュリティの設定等を適切に行うことによって、そういったリスクを軽減することも可能です。これらをしっかりと理解しつつ、生成AIを便利に活用する道を模索していくのも良いかもしれません。

なお、ChatGPTにシステム開発での利用について感想を求めたところ、次のような返答がありました

システム開発にChatGPTを活用することで、開発プロセスを加速し、開発者が創造的な作業により集中できるようになるのは大きな利点です。適切に利用することで、AIをパートナーのように扱い、よりスマートな開発が実現するでしょう。

なんてことはない回答ですが、こうしたまともな文章が一発で返ってくるというのも、数年前では考えられないことですよね。

英語のハノン 初級

最後に、英語学習のために活用している本を一冊ピックアップしてみました。最近買った本ではないのですが、ここ一年ほどお世話になっている教材です。

この本の冒頭に説明されているのですが、「ハノン」とはもともとピアノの教本の名前で、根気よく辛抱強く練習を積み重ねるための教材として知られています。この「英語のハノン」も、ひたすらトレーニングを重ねて英語力を鍛えることを目的とした練習本です。

見た目も飾り気がなく、正直退屈に感じることもありますが、挫折しそうになりながらも一周取り組んでみると、少しずつ英語が身についているのを実感できました。

その後も最初から繰り返し復習を続けており、今ではリスニング力の向上にも非常に役立っていると感じています。また、スピーキング面でも、少しずつ口が動くようになってきた気がします。

取り組むには音声が欠かせません。スマートフォンに音源をダウンロードして学習することもできますが、TOEIC対策で「abceed」というアプリを使っている方なら、そちらの利用もおすすめです。
日々の進捗も記録され、効率的に学習を進められるため、断然アプリでの取り組みを推奨します。


今回は以上となります。
さて、2024年も残りわずか、EC業界の皆さん、年末商戦に向けて頑張ってまいりましょう!

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